マイセン磁器。その発祥は、はるか18世紀初頭にさかのぼります。当時のヨーロッパ王侯貴族は、東方からもたらされる磁器の白い輝きと華やかな絵付に、強い憧れをもっていました。ザクセン選帝侯、アウグスト強王もそのひとり。錬金術師ヨハン・フリードリヒ・ベトガーに命じ、厳しい監視の下で磁器製法を研究させました。試行錯誤の末、ベトガーは1709年、ついにその技法を解明し、ここにヨーロッパ初の硬質白磁器が誕生したのです。 以来、今日まで世界の卓上文化をリードしつづけたマイセン。過去に作られた23万種類におよぶ作品群は、そのまま美術様式の歴史といっても過言ではありません。また「食器」の枠を超えたフォームの多様性や、磁器人形のもつ芸術性も魅力のひとつです。
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